自律神経について(2)

前回は「なぜ自律神経の乱れは起こるのか」について説明しましたが、今回は「自律神経が乱れると、どんな症状が出るのか」について説明します。

■だるさ、疲労感から超の不調まで

自律神は生命維持のために重要な役割を担っているので、自律神経が乱れると、体と心にさまざまな症状があらわれます。
その一つとして、だるさや倦怠感、慢性的な疲労感などの全身症状は、自律神経が関係する典型的な症状です。精密検査を受けて、特定の組織や器官に原因が認められない場合、自律神経失調症と診断されます。成人女性の2人に1人、小学生の5人に1人が便秘であると感じているように、便秘は多くの人が悩まされている症状です。バランスの悪い食生活や食物繊維の不足が原因と考えられることが多いのですが、その原因は自律神経の乱れにあるのかもしれません。自律神経のバランスが崩れると、腸内細菌層に悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなり、便秘を誘発するからです。
腸内環境が乱れると下痢になる場合もありますし、下痢と便秘を繰り返す場合もあります。いずれにせよ、自律神経の乱れによって引き起こされているからです。

■副交感神経が働かず、睡眠不足を引き起こす

身体のほてり、多汗なども自律神経が関係してしている可能性があります。肌が荒れることもあり、これらはホルモンバランスの乱れがストレスとなり、自律神経まで乱れていることが考えられます。
精神の不調により、自律神経が乱れることもあります。わけもなくイライラしたり、焦燥感、緊張感に襲われたりすることがあれば、自律神経が乱れている可能性があります。
また、血管が収縮し、血行が悪くなると、冷えや肩こりを誘発することがあります。ズキズキ痛むような頭痛、締めつけられるような頭痛も自律神経の乱れが原因の場合があります。さらに、睡眠不足も自律神経の乱れが原因で起こることがあります。なかなか寝つけなかったり、寝ても疲れが取れないのは、夜から朝にかけて副交感神経が優位になっていないのかもしれません。
自律神経が整わないと、以上のような症状があらわれます。症状の数は人それぞれです。自律神経の乱れは、どこに悪影響を及ぼすのかわからないのです。

 

■自律神経が乱れると起こる主な症状

●全身症状
だるさ、倦怠感、やる気が出ない、疲れやすいなど、仕事や学業に集中できない不調や疲れ

●便秘、下痢
便秘や下痢が続き、両方が交互に起きることもある。 腸の不調による影響

●ホルモンバランスの乱れ
肌荒れ、ほてり、多汗などの症状あらわれる。40代半ば以上の女性は特に注意。

●精神の不調
イライラしやすくなり、焦燥感、緊張感、不安など精神面に不調が起こる。

●冷え・肩こり
自律神経が乱れることで、血行が悪くなり、冷えや肩こりの原因になる。

●頭痛
ズキズキ、または締めつけられるような痛みがあらわれる。場合よっては脳の検査も必要。

●睡眠障害
不眠症、寝ても疲れが残るなど、日中に眠くなるのは、自律神経の乱れが原因かも。