良い姿勢か、楽な姿勢か
私たちは意識的に筋トレを措定ナイト、筋肉は落ちますし、ストレッチをしていないと硬くなります。当然乃ことではありますが、その中に気づかないうちに落ちてしまっている筋肉があります。それは背筋とインナーマッスルという筋肉です。腹筋は布団やベッドから起き上がるとき、それなりに使っています。だからそこまでは落ちないのですが、背筋は、意識的に鍛えようとしない限り、日常生活ではあまり使うシーンないのです。背筋が落ちると、良い姿勢を維持することができません。すぐに疲れてしまいます。そのため、ついつい猫背の姿勢になってしまいます。
インナーマッスルは身体の深いところにある筋肉です。この筋肉は、深層筋とかコアマッスルといわれており、姿勢を保持する働きがあります。しかし、ねこ背のような悪い姿勢では、このインナーマッスルは働きにくい構造をしています。そのため、背筋が弱くなる→疲れる→ねこ背になる→インナーマッスルが弱くなる→より疲れやすくなる→よりねこ背になる、という悪循環に陥ります。
インナーマッスルはだいだいが小さな筋肉です。腹筋の深部にある腹横筋はさらしを巻いたようになっていて大きいのですが、ほとんどは小さいものです。インナーマッスルとは逆に身体の表面にある筋肉は大きく、浅層筋とかアウターマッスルと呼んでいます。スポーツジムのマシンで鍛えているのはアウターマッスルです。身体の表面にあるボディビルでつくるような、見た目のきれいな筋肉がそうです。身体の表面の筋肉は見える筋肉ですから、自分の身体を鏡で見れば筋肉が減ったのは気づきます。しかし、インナーマッスルは見みえませんので、気づかないうちに落ちていってしまうのです。
ではここで、自分の背筋やインナーマッスルの筋肉が落ちでいるのか確認してみましょう。やり方は自分が良い姿勢をしているか、悪い姿勢をしているかを観察するだけです。なかなか一日中観察し続けるのは難しいので、いまから1時間とか、12時から13時までの1時間とかに区切って、自分を観察してみましょう。良い姿勢と悪い姿勢の割合がどうなっているのか。自分で評価します。良い姿勢は寄りかからず、背もたれも使わず、背筋を伸ばした状態です。悪い姿勢は寄りかかったり、もたれたり頬杖をついたりと、背中の筋肉を使っていない楽な状態です。
仕事しながらでも、出かけながらでもいいのですが、自分がどのくらい楽な姿勢に慣れてしまっているかを自覚するところから始めます。デスクワークをしているとき、家でテレビを観ているとき、友達とランチをしているとき、いろいろな座っている場面で確認してみるといいです。ほかにも電車の中で立っているときは、どちらの割合が多いのか、通勤のときに気にしてみるのもいいでしょう。自分の姿勢を観察して、計算して、やっぱり楽な姿勢の方が多いとか、評価してみます。
ピシッと立っているのと、だらっと立っているのとでは全然筋肉の使い方が違います。「いま、つり革にぶら下がってねこ背っぽいのは、楽をしている姿勢だな」と意識するところから始めてみましょう。そして、少しずつ良い姿勢の比率を上げていきます。背筋やインナーマッスルがいったん落ちてしまった方は、地道に良い姿勢を増やしていくしかありません。
ねこ背は力を抜いた楽な姿勢で、背中の筋肉の一部しか使っていません。ほとんどが背中についている靭帯で支えている姿勢といえます。良い姿勢というものは、背筋やインナーマッスルを緊張し続けるので疲れます。良い姿勢は筋トレをしているのと同じですから、疲れるのが当たり前で、それはいいことなのです。
良い姿勢と楽な姿勢の割合を「まずは半分半分で」と考えてください。1時間の中で良い姿勢を30分とるというのは、なかなかキツイものです。筋力のない人は5分でも疲れてしまいます。それがキツく感じなくなったとき、筋肉は強くなっているのです。
先ほど自分の姿勢の割合を評価することを提案しましたが、「自分では、意識してしまって本当の自分の姿勢かどうか判断しにくい」という人もいると思います。その場合は今度、こっそりと家族の誰かでもいいですし、街のカフェで座っている人、職場の人など、誰かを30分でも1時間でも観察してみてください。どっちの割合が多いか見てください。
例えば、ねこ背の人を観察してみると、楽な姿勢の時間が長いはずです。姿勢の良い人を観察してみると、良い姿勢の時間が長いはずです。いまの自分の姿勢は、これまでの自分がしてきた姿勢の積み重ねです。今日の自分の頑張りは、明日の自分へのプレゼントになります。疲れてもまたやる、疲れてもまたやる、を繰り返して、少しずつ良い姿勢を増やしていきましょう。
めざすは「半分半分」です。