体幹からシェイプする手軽なメンテナンス「ドローイン」とは

「ドローイン」(Draw-in)とは、「おなかを凹ませる」という動作のこと。この動きは、おなかを凹ませることで、おもに腹横筋を強く収縮させるという非常に簡単なメカニズム。ドローインでは、普段あまり意識して使うことのできない体幹に属する筋肉にも、まとめて働きかけることが可能になります。これから紹介する「30秒ドローイン」はウエストシェイプのために考案されたメンテナンス方法です。正しく行うためには、いくつかのコツが必要になりますが、難しいことはありません。

そして最大の魅力は、歩いているときやデスクワーク中、そして電車の中など、いつでもどこでも気がついたときにできること。さらに、ドローインを続けていくと、胃腸の調子がよくなり、便秘なども改善することもあります。おなかが凹むだけでなく、体内バランスまで変わっていくことを実感できるのです。日常生活では鍛えにくい体幹の筋肉を、手軽にトレーニングする方法として考案されたのが「30秒ドローイン」なのです。

「30秒ドローイン」の体幹引き締め効果

「30秒ドローイン」は、体幹部の筋肉をまるごと使うメンテナンス方法です。腰痛対策の運動療法や、スポーツ選手のトレーニングにも取り入れられている技術です。ここでは、ドローインの核となるインナーマッスルのひとつ「腹横筋」にアプローチします。

●筋肉に働きかける

30秒ドローインを行うことによって、腹横筋が働くとともに、腹斜筋や、腹直筋、脊柱起立筋、腸腰筋、広背筋など、体幹を構成するさまざまな筋肉に働きかけることになります。

●内臓を正しい位置に

腹横筋には、内臓を正しい位置に維持して、おなかの前後の厚みを抑える働きもあります。胃腸などが正しい位置に戻れば、活発に動き出すので、体調も今までより良く感じられるでしょう。

●脂肪が落ちる

おなかを凹ませる動きに加え、背筋群など体幹全体を使うようにすれば、自然に1日あたりのエネルギー消費量も大きくなります。エネルギーを多く使うことで、脂肪も落ちやすくなります。

●姿勢を改善する

ドローインには、腰痛予防や姿勢改善を目的とする一面も。続けていくと、普段の歩き方もスムーズで機敏になっていくでしょう。姿勢がよいとあなたの印象もスマートに変わります。

「30秒ドローイン」のメンテナンス方法

ドローインで、ぐんぐんカラダが変わる。

おなかを凹ませることで、内臓は正しい位置に戻ろうと働き、腹腔内に変化が起こります。普段おなかの中では、重力によって内臓が下がる傾向にあります。しかし、ドローインをすると腹圧によって、押し上げられるように内臓が働いてくれるのです。

おなかを凹ませながら、おしりの穴を締めることで、骨盤の下側にある骨盤底筋という筋肉が働き、下がった内臓を押し上げようとしてきます。この働きによって、内臓は再度位置が調整され、本来あるべきポジションに収まるしくみになっているのです。

「30秒ドローイン」は、首筋を伸ばした状態でおなかを凹ませる動きが基本です。おへそを背中にくっ付けるイメージで動かすことがポイントです。何度でも繰り返していくと少しずつコツがわかってくるでしょう。

なかなかコツがつかめなくても、焦る必要はありません。今まで使わずに眠っていた筋肉が、目覚めてくるように、徐々にできるようになります。

<30秒ドローインのやり方>

(ドローイン前)

背筋はまったくになるよう意識して、お尻の穴を締めるイメージで立つ。背筋をしっかりと伸ばしていることができれば、座った姿勢でも効果的なドローインを行うことができます。

(ドローイン)

おへそを中心に腹全体を凹ませます。誰かの手でおなかを押されているようなイメージで凹ませましょう。この状態を30秒キープ。これが誰にもできて、効果的にカラダをメンテナンスするドローインです。

つまり、どんなときでも、どんな場所でも、姿勢を正せば始められるのがドローインのすごいところです。

朝、歯を磨きながら、通勤電車の中で、仕事をしながら、移動中に歩きながら、犬の散歩途中になどなど…。

日常茶飯事スキあらばドローインを実践しましょう。