ちょくちょく姿勢を変えてみる。
日常生活の中にある多くの「クセ」や「偏り」を、その場ですぐに修正できれば、疲れることも痛むこともありません。日常生活の中でよくあるシーンを例に、何かをしながらできる、溜まったストレスをすぐに逃がす方法を提案します。
姿勢を見ると、誰しもちょっとした左右差があります。どこかを痛めて、それをかばうためにそのような姿勢になっている場合もありますが、左右非対称は日常のちょっとしたことから来ています。右利きと左利きとでは、もうそこで違っています。
リビングでテレビをどちら側に置いて座っているとか、デスクの上のパソコンの位置が少しだけ左とか、わずかなことですが、そこで過ごす時間が長くなればなるほど左右非対称となって姿勢にあらわれます。24時間を通してみたときに、左右どちらの割合が多いかです。
自分の生活の中で左右非対称があるなと気づけば、逆の動きをすることでプラスマイナスゼロにすることができます。たとえば、首を右にひねってドラマを見ていたら、コマーシャルのときには逆の方を見て家族と話すことを心がけるとか、痛みが出る前にとれる行動があります。
姿勢という視点で、日常の行動をチェックする習慣がないことは普通で、いつもどちら側を上にして足を組んでいるかとか、床に横座りをするときは右に足を崩しているか左に崩しているかなんて、気にしていないものです。
傘を持つ手はどっちか、カバンを持つ手はどっちか、ショルダーバッグをどちらの肩にかけるか、頬杖をつくとき右手でつくか、左手でつくか、電話をかけるときは右手か左手か、あらゆることに左右があります。
クセは誰しもあるものですから、あまり気にする必要はありませんが、どちらか一方に偏ったままではいけません。
大切なのは、5分右だったら逆の姿勢を5分とることです。ここまでは左右の話をしていますが、当然前後も同じです。前かがみが多かったら反る姿勢、膝を曲げていたなら伸ばす姿勢、手を下げていたならバンザイをする、というように、その都度、上下、前後、左右と「逆」の動きでバランスをとりながら、プラスマイナスゼロにすることです。
気づいたらそうする。ちょっと思い出したらそうする。落ち着きのない大人と思われるくらい姿勢をこまめに変える。それを繰り返していくことで、それが良い習慣となり身体の歪みからくる痛みや不調を避けることができます。
趣味の草野球も同じです。バットの素振りを右の構えばかりではなく、左の構えで振る。
ゴルフもそうです。特にドライバーなんかは大きくひねりますから負担も大きくなります。練習するときは、右で振ったら左でも同様に振る。フォーム練習の一環としてそうしている方も見受けられますが、まだだったらぜひ、そうしましょう。
いまは痛みや不調がなかったとしても、こういう積み重ねが大切です。痛みが出てからでは遅いのです。上下前後左右「逆の動き」を均等に。ちょくちょく姿勢を変えて、「落ち着きのない大人」を意識しましょう。