腰痛は国民病。

2800万人が腰痛。

日本人の腰痛持ちは約2800万人と言われ、病気やケガなどで痛みや不快を訴える有訴者率を比べてみると、男性では腰痛が第1位、肩こりが第2位、女性では肩こりが第1位、腰痛が第2位となっています。

 腰痛と肩こりは国民病ともいえる状況です。ちなみに手足の関節痛は、男性では第5位、女性では第3痛みとなっています。男女合わせてみると、腰痛が第1位、肩こりが第2位、出足の関節痛は第3位となっています。腰痛と肩こりの割合は双方ともとても高く、手足の関節痛はそれに比べると5~6割程度と少し差がある状況です。

 その第1位の腰痛ですが、起こる原因は次のどれかになります。

「動かな過ぎ」「使い過ぎ」「硬すぎ」これが腰痛の三大原因です。

そのうち「動かな過ぎ」による腰痛とは、同一姿勢によるものです。良い姿勢であろうと、楽な悪い姿勢であろうと、同じ姿勢を続けていたら腰痛になるということです。

次に「使い過ぎ」による腰痛とは、誰にでも経験がある腰痛です。引っ越しで重い荷物を持ったとか、部屋の片づけで1日中立ったりかがんだりとか、負荷が大きい作業でも腰痛は起きますし、負荷が小さい作業でも繰り返しが続けばやはり腰痛になります。

そして「硬すぎ」で腰痛が起こるのは、身体が硬いと腰に負担が回ってくるためです。腰椎はほかの関節の動きと連動しています。腰椎の上下にある胸椎、肋骨、仙腸関節、股関節などの可動性に問題があると、その分を腰椎が代償するためストレスがかかり、腰痛になるというものです。

痛みが出た時間帯にも注目。

腰痛は「突然くる」というイメージがあります。前触れとして、気にとめることのなかった腰の張りがあったりしますが、腰をかがめたら、何やら腰がメリメリとなったとか、歩いてくしゃみをしたらギクッときたとか、靴下を履こうとしたらズキッとなって、それきり痛くて動けなくなったとか。

 腰痛の原因は「動かな過ぎ」「使い過ぎ」「硬すぎ」の3つだと述べましたが、何が悪かったのかを、さらに細かく分析できる方法があります。それは痛みが出た時間帯にも注目することです。時間帯を考えることで原因を絞ることができます。

 朝起きたのなら、原因はその前に作られているわけですから、寝ている間に問題があります。午後や夕方なら、それまでの日中の行動に問題があります。朝も痛いし、夜も痛いというのであれば、原因は両方にあります。

 寝ている間なら寝相や寝具の問題が考えられるでしょう。寝相がよくて寝返りを充分にせず姿勢を変えていないのではないか。マットレスは硬すぎないか、逆に柔らかすぎないか、枕の高さは合っているかなど。

 日中のことなら、長時間座ったきりで、立ち上がることもなく、同一姿勢で仕事していなかったか。中腰で物を持ち上げ、運ぶ動きを繰り返さなかったか、とか。

 長期的な原因なら、スポーツから遠ざかり、ストレッチもしないで、可動域をどんどん狭め、身体を硬くしてこなかったか、など。

 このように時間的な概念も考慮して論理的に分析できれば、自分の生活スタイルにおいて、「いつ」「何」が原因で、どうすれば改善するのかがわかってきます。

 この腰痛の3大原因や時間帯に関しては何となく理解していただけましたか。実はこの考え方は腰痛に限ったことではありません。首も肩もほかの関節の痛みについても同じ考え方ができます。